奇跡のサイクリング

1年後からワープして日記をつけています。
2008年11月2日・日曜日。
大阪ではサイクルモード2008が開催されているその裏で京都で「三船雅彦と走ろうサイクリングイベント」が開催されました。

当時私はマイ自転車を持っていなく、まともに自転車に乗ったのが10年以上前・・・とこのイベントに参加する資格はなさそうなのですが、自分に自信をつけたい、ひとりじゃないから走れるかも・・・などと葛藤を繰り返し、強行軍で京都まで行くことにしました。
自転車は集合場所に近い近鉄大久保駅にレンタサイクルをしてくれる場所を発見して、イベントの前日に下見をして準備万端で当日を迎えるはずでした・・・

大きな誤算は、前日の夜に大阪・東玉出にあるバー「タクリーノ」に行って、サイクルモードの準備を終えて本番に向け気合いを入れるJBCF広報委員のメンバーと一緒になってしまったことでしょうか。彼らが帰ったあとも少しお店に残ったら、閉店時間(午前2時)になっていました・・・

これから先は、1年前に残した日記を編集してイベントの様子(というか自分の中の葛藤はどうなったのか)を振り返ります。

■タクリーノの余波に飲まれ・・・
 余談ですが、昨晩バー・タクリーノに行ったのがたたったのか、西心斎橋のカプセルホテルで起床したのが7時15分、当初の予定は7時に淀屋橋発の京阪特急に乗る予定だったので焦ってしまいましたが、近鉄難波から大和西大寺経由で現地に向かいなんとか事なきを得たはずでした。

 近鉄大久保駅に着いたら、ICOCAが残額不足。チャージ(1,000円)か全区間の運賃を現金払い(740円)するか迫られ、どちらにも手持ちが届かずに銀行でお金をおろしてくることで改札を出してもらい、レンタサイクルを借り、近くに見えたサティに行って何とか現金を手にすることができたのですが、サティは駅から集合場所とは反対側にあるため、駅とサティの往復分余計に走ることになってしまいました・・・


■地図を確認しないと、こういうことになります。
 近鉄大久保駅で精算を済ませたら、集合時間が近づいてきています。地図を持たないままにだいたいの感覚で集合場所のJR城陽駅前に向かったところ、本来曲がらないといけないところを通り過ぎてしまい、城陽高校付近まで行ってしまいました。集合時間の9時が刻一刻と近づいてきています。ここで買ったばかりのGPS携帯で現在の位置とJR城陽駅の場所を確認しリカバリーを試みます。なんとか集合場所に9時10分に到着し、出発時間の9時30分には間に合ったので事なきを得ました。


さて、ここからが本編(爆)


■参加者の注目の的
 今回のサイクリングイベントにレンタサイクル(ママチャリ)で参加しました。駅構内にあるレンタサイクルなので、さすがにスポーツバイクはありません。もちろんママチャリで参加するのも、レンタサイクルで参加するのもひとりだけ。自転車の後部泥除けにはしっかりと「近鉄レンタサイクル」と入っています。
 こうなると、参加者のみなさんの注目を浴びるわけです。三船雅彦さんと走る(実際には一緒に走らないのですが・・・)のにママチャリにのってふつうにジーンズ姿の奴がやってきた、しかもママチャリはレンタサイクルやんか!!

(内心こんな人が参加していいの?と思っていました。
しかも自転車にガッツリ乗るのはいつの頃だろうという昔のことで、いろいろな意味でみんなに迷惑がかからないようにと思っていても…
日頃運動らしきことをしていない人が20キロを超える距離(予定では25キロ)を自転車で行けるのか、不安だらけでした。)

 今回のイベントは顔見知りの人も参加しているので、その人たちにくっついておとなしくしていようと心に決め、総勢60名近くでのサイクリングがいよいよ始まりました。


■やっぱり、ママチャリでした・・・
 このサイクリングイベントは、三船雅彦さんと一緒に彼の練習コースを走る「がっつり組」と観光名所をめぐりながらゆっくり走ることを優先する「てれてれ組」に分かれて走ることになっていて、もちろん私は「てれてれ組」のすみっこで走っていました。
 スタートしてはじめのうち(公道)はなんとかてれてれ組が見えるところにいましたが、木津川サイクリングロードに入ってしまったら、完全に取り残されてしまいました。ママチャリの限界なのか私の体力の限界なのかはここでは触れないでおきましょう。

 京田辺市にある一休寺で見学をし、渡り橋を渡った頃には完全にてれてれ組にもおいていかれ、スタッフとして参加してくれたmasahikomifune.comの人とふたりでお話しをしながら、これぞ本当のてれてれ状態でのサイクリングでした。ちなみに、このあたりを走っていた時は時速15キロ程度だったようです。


■2人きりのヒミツ
 木津川サイクリングロードから離れて城陽市街地に入った時に想定外の出来事が起こります。
木津川堤防を降りる私に「(待っている)みなさんに付かないでそのまま進んでください。」と伴走してくれたスタッフさんの声が。
 そのまま進んだら、後ろにいるみなさんがコンビニ休憩をとったと情報が入り。。。
戻るのもイヤだし、先のコンビニでひとり休憩をしてお楽しみポイントで遅れるのも気が引けるためそのままスタッフさんと2人で先に進みました。

 結果として、ここから城陽の市街地を抜けるまで最後までスタッフの人と2人きりだったんです。
この間何があったか知っているのは当然2人だけ…

 城陽市街地に入り、近鉄寺田駅を過ぎ道が上り基調になった時、自転車を降りた瞬間に脚がつってしまいました。

しかも両脚!!

 その場で立ち止まり、痛みがおさまるのを待つしかありません、痛みが軽くなったら先に進みます。
上り基調のところは自転車を押し、フラットか下り基調のところは自転車に乗ってなんとか先に進んで行きます。その間もスタッフさんが優しい言葉をかけてくれます。(若干切れぎみだったのはここだけの話で・・・)うれしい半面、迷惑をかけまくっていることに恐縮したり心の中では申し訳なくて泣きそうになっています。
 時間が経つと痛みも軽くなり、下り坂を一気に降りた時は気分爽快な感じになるまでになっていました。下りがあれば、その逆がある・・・ということで、今回のメインイベント、お楽しみポイントの激坂に到着しました!もちろん無理をしないでママチャリを押しながらのチャレンジとなりましたが・・・

 この最後にして最大の難関に斜度のきついインから攻めたら、自転車を押して登っているのにもかかわらず、ホントにもうすぐ坂のてっぺんというところでまた両脚がつってしまい…民家の玄関前でまた立ち止まってしまいました。

ホントに泣きそうです。

 それでもなんとか激坂ポイントをクリアし、まだてれてれ組のみなさんに追いつかれていなかったので、ひとり坂のてっぺん脇にあったセブンイレブンで休憩を取りました。

 この間、こんな不甲斐ない、めっちゃ無謀なことをして迷惑をかけているのに、優しく接してくれたスタッフさんには感謝するだけです。
(ゴール後に知ったのですが、そのスタッフさんはチームメンバーではないみたいだったそうで…)

 ここでてれてれ組のみなさんと合流できたので、ここからはみんなと昼食会場の宇治市平等院の脇まで駆け抜けました。


■昼食でゴールではないのです!!
 昼食後はJR城陽駅まで走ってゴールとなります。帰り道ではやはり脚がつる危険が大きかったので、上りは自転車を押して、それ以外は自転車に乗ってのペースを守っていました。交通量の多い道だったので、脚がつったらマジでシャレになりません。

 最後、JR城陽駅前に向かう細めの道に入ったところで、がっつり組の誘導をバイクでしてくれていたスタッフさんが私の背中を押してくれました。そうしたら、自転車のスタッフさんたちが走るペースと同じペースで走れるんです、というか、ママチャリのペダルを踏んでも何も反応もないくらいのスピードで走っていました。
 風を感じる走りに感動したり、押してくれた感謝や申し訳なさがいっぱいいっぱい自分の中で走行スピードと同じくらいの速さで駆け抜けて行きました。

 JR城陽駅前でのゴール後は、レンタサイクルを返しに近鉄大久保駅までまた走り、これでようやく最後のゴールを迎えました。

 サイクリングイベントだけで走行距離が約40キロ、それに近鉄大久保駅〜JR城陽駅の往復、朝の銀行と迷った城陽高校周辺でのもがきを入れるとどのくらい走ったでしょうか。普段自転車に全く乗らない、しかもまともに自転車に乗ったのも10何年ぶりなのに、ここまで自転車に乗れたのは奇跡としか言いようがありません。スタッフさんや参加したみなさんのパワーがなければ絶対にクリアできなかったと思います。今回のサイクリングイベントに関わったすべてのみなさんに感謝の気持ちでいっぱいです。ありがとうございました!

もちろん、このひとことだけでは乗せられないくらいのたくさんの思いを込めて…


■最後に余談を(笑)
 今回のサイクリングイベントは想定よりも実距離が長くなっていて、予定の時間どおりには進んでいませんでした。(25キロといわれて参加したら、当日になって25マイルですと言われました・・・)宇治の休憩ポイントに着いた時、すでにその店から出る時間だったそうで・・・ということで、どちらの組も予定していたコースを一部カットしての走行となりました。てれてれ組はお楽しみポイントの激坂をパスして坂の少ないコースを走ったそうなんです。ということは・・・
 てれてれ組で激坂を通ったのは私1人のようだったのです!!ほかの参加者の方からは、「うらやましい!」と言われたのですが、正直よかったのかどうなのか・・・やっぱり三船雅彦さんおすすめの坂を自分の足で歩いたということでいい記念にしておきましょう。