男・岡崎和也、最後の走りをこの眼に焼きつけて・・・

今回の話題は2009年6月28日に広島県の中央森林公園で開催された全日本選手権ロードレースを最後にユニフォームを脱いだEQA梅丹本舗グラファイトデザインの岡崎和也選手について触れます。

私が最初に持った岡崎選手の印象はレースに対して熱い男でした。
2008年のツアーオブジャパンの南信州ステージの終了後、梅丹本舗GDRの福島晋一選手や福島康司選手をはじめ多くの選手がきさくにお話をしてくれる中、岡崎選手には近寄りずらい雰囲気がありました。

それだけレースに集中して、レース後も真剣なのかな、そんな印象を受けたのです。

その後に開催された2008年の全日本選手権ロードレースでは、もはや優勝を狙えなくなってしまった集団からチームのエースでもある新城幸也選手を逃げ集団に追いつかせようと必死にアシストしている姿がとっても印象的でした。

その時は新城選手が最初に力尽きて岡崎選手からも遅れてしまうものの、岡崎選手の逃げ集団に追いつこうとする必死の走りにロードレースの奥深さを教えてもらうと同時に、岡崎選手の魅力を知ることとなったのです。

2008年のジャパンカップ後にチームでパーティーがあり、岡崎選手とお話をする機会を得たのですが、その時の笑顔が素敵なこと、そして想像以上に謙虚な人柄と自転車に対する情熱にふれることができより応援したい選手になりました。

しかし、2009年の全日本選手権ロードレースを最後に引退をするとのアナウンスは突然やってきました。あまりの急さに驚くしかありません。

そしてやってきた全日本選手権ロードレース当日、岡崎選手はメイン集団を何度となく引っ張っていました。同じチームの菊池誠晃選手が逃げを決めているので、集団を抑えにかかっているのか、それとも最後の勇姿なのか・・・

結果は2周回を残した14周終了でリタイア、DNF(Do Not Finish)となりました。
岡崎選手がコースアウトする瞬間をコントロールライン付近で目撃してしまい、さびしさがこみ上げてきました。

ロードレースは完走がすべてではないので、メイン集団をコントロールするという仕事を終えて、コースから離れたように見えました。最後までチームのために貢献する岡崎選手の姿は男・岡崎と呼ばれるにふさわしい選手だったと思えました。

表彰式のあとにMCのDJがらぱさんの計らいか岡崎選手にインタビューをしてくれて、その声が会場に流されました。正直なところまだ走れるとは思うのですが、ご自身の決断を尊重してあたたかく送ってあげよう、そんな雰囲気を感じたのは私だけでしょうか。

インタビュー後に選手生活を終えた岡崎さんが談笑しているところを目撃してお話を聞かせていただきました。「シクロクロスも含めて自転車には乗りません!」ときっぱりいわれてしまうと、やっぱり淋しさを感じてまりません。でもその表情は晴れ晴れしていて、レース直後とは思えないほどの笑顔をのぞかせる場面もありました。

やっぱり岡崎さんの魅力は尽きません。

男・岡崎と呼ばれた男に、「シクロクロスも含めて自転車には乗りません!」の言葉を破ってもあなたは男じゃないなんていいません(笑

いつか岡崎さんと楽しく自転車に乗れる日がくることをひっそりと、そして心から望んでいます!!

最後にこれからの岡崎さんの活躍を期待しています。