白浜エアポートクリテリウム

 2010シーズンのJサイクルツアー第4戦、Jグランプリ、Jフェミニン第7戦となる白浜エアポートクリテの観戦に行ってきました。
といっても、レース観戦よりなぜかおしゃべりに時間を割いてしまい、写真はほとんどなくレース展開もがっつりわかっていないなんともブログにまとめずらい1日となりました。

 男子ERクラスではセオレーシングの伊藤透選手に決勝前に声をかけてみました。群馬CSCグランプリでは4位とBR−1への昇格まであと1人という結果だったこともあり、「今日のレースはもうひとつとなりにいけるといいね。」と必要以上にプレッシャーを与えずにそれよりも「出るからには勝ちます!」という伊藤選手がずっとしっかりしていました。
 結果は2位入賞となり、次のレース(しらびそ大会)からはBR−1へ昇格することになりました。レース後にもちょっと話を聞いたのですが、やっぱり優勝したかったみたいです。彼のハングリー精神はBR−1でも活躍できると期待しています。

 BR−1ではMINOURA大垣レーシングの池澤選手から予選終了後に声をかけられまして、「途中コースアウトしちゃったんですよ(汗)」とはにかみながら話してくれましたが、コースの真ん中に360度ターンをする箇所があるのですが、たしかにMINOURAジャージの選手が膨らみすぎてコースから外れてしまって芝生の上まで滑ってしまったものの、コースに復帰している姿をしっかり目撃していました。それが池澤選手だったのですね・・・
 彼とは舞洲クリテの際に顔を覚えられたらしく声をかけていただいたのですが、MINOURAの佐野選手の話題や岐阜の自転車事情などをTRの予選を観戦しながらお話しをしていたのですが、まったくわからないことをいろいろ教えていただきとっても参考になりました。またレース会場で見かけたら声をかけてください!!

 さて、BR−1の注目選手はCIEBRO NARAの辻貴光選手、spacebikes.comの高塚亮輔選手など優勝候補の選手もいますが、今回ERからの昇格第1戦となるなるしまフレンドの加地邦彦選手も気になります。熊谷クリテでは予選中に声援をかけるチーム関係者に手を振る余裕を出しまくったあの余裕な走りをBR−1でもしてくれるのかが気になっていたのですが、予選は1組で1位通過となり決勝の走りがさらに気になります。
 決勝もラスト1周の最後の360度ターンのところまで加地選手がトップできていました。しかし、その360ターンで悲劇が・・・
 加地選手がカーブに入ったところで大きく膨らんでしまい、そこに2番手につけていた辻貴光選手が加地選手のイン側に入り込み、他の選手もそれに続き・・・そのまま辻選手が優勝!加地選手の順位がなかなかコールされずに心配していました。結果は6位入賞を果たしTRへの昇格(移籍)資格を1戦にしてつかんでしまいました。
 それにしても360度ターンのできごとは競艇のターンを見ているかのような膨らみ方にインをついた選手の切れの良さでした。加地選手からは何度も「あの時はタイヤが滑ったのかな?どうだった??」と何度も聞かれました。選手本人からしたらとっても悔しいことでしょう。それでも結果は残せたし、次への望みをつないだのでそれだけはよかったということにしておきましょう。

BR−1の表彰式の写真前列右側が加地選手

 今年の白浜エアポートクリテはTRクラスが復活し、普及大会から昇格しました。TRクラスは注目選手がいっぱい。ここで誰がどうなってと言い出すときりがないのでやめておきますが、東日本実業団サイクルロードレースでTR復帰を決めた湘南ベルマーレの小室雅成選手の初戦となるのでどのような走りをしてくれるのかは素直に期待していました。
 もちろん、今シーズン初めて生でレース観戦をできるシマノレーシングの選手や白浜が初戦になるマトリックスの某選手、大学チームから出場した競輪学校にいるはずの某選手、こっそり入賞の野望を持ったビジネスマンレーサーの某選手、白浜で予選を通らなかったらTR選手を辞めようかともらしていた昨季BR−1登録だった某選手など気にしている選手はいっぱいいるんです。

 予選と決勝のあいだに鹿屋体大BLUE SKYの選手に話を聞きにいき、今年の抱負を教えてもらいました。野中竜馬選手は「書きたいことがいっぱいあるんですけど・・・」と用紙のスペースいっぱいにいろいろ書いてくれました。

野中くんはすすきので何をしていたんでしょうか・・・

 決勝前にはEsperancestage/WAVEONEの西川昌弘選手がBR−1決勝を見ていた私のところに来て「ゼッケンのピンが外れたので留めてもらえませんか」と頼まれました。それ自体はなんてことないのですが、一緒に観戦していた某チーム関係者が「いい光景ですね」と言ってもらい、なんとなくその周辺だけいい雰囲気になっていたのは裏話ということで・・・

TR決勝後に撮影。左が西川昌弘選手、右はMASSA-FOCUS-OUTDOOR PRODUCTSの伊藤翔吾選手

 決勝では湘南ベルマーレの小室選手を中心にレースを見ていましたが、ベルマーレ勢(山根、山川、武田、小室)の中では常に上位にいて山根選手のアシスト狙いかと思っていたのですが、ラスト1周で小室選手を含む3名(シマノ畑中、ブリッツェン辻、小室)が逃げ、残り半周でその3人にマトリックス山下貴宏選手が追いかける展開になったものの、その後後続集団につかまり辻善光選手が3位、畑中勇介選手が5位、小室雅成選手が8位でのゴールとなりました。小室選手が表彰台(6位までが入賞)に上がったら思いっきり泣いてしまうだろうなと思っていたのですが、それはまたの機会に持ち越しとなりましたが、レース途中の順位でもらえるポイント賞を獲得した小室選手の走りには感動を受けました。

 レースが終わったあとにFR(女子)選手の方にお話しを伺ったのですが、やはり彼女も小室選手の走りが気になっていたようです。レースでは出てこない小室選手の道のりを知っている選手仲間だからこそ気になるのでしょうね。その場ではいいお話しを聞くことができました。

 さて、TRカテゴリーの優勝者はこの選手

 シマノレーシング鈴木真理選手でした。

 シマノレーシングは表彰台に鈴木選手のほかに村上選手、畑中選手、野寺選手を送り込む怒涛の走りをラスト1周で展開し、シマノの強さを見せてくれました。その中でも鈴木真理選手の優勝は観戦に来ているファンからも黄色い声が出るほどびっくり&大興奮でした。
 レース終了後は観戦仲間の車で空港までお送りいただいたのですが、車へ移動する途中にわざわざ鈴木選手がごあいさつに来てくれました。

 もちろん、一緒にいた熱狂的真理ファンの女性のところへのごあいさつだったのですが(笑)それでも、選手からわざわざ観戦にいったファンに挨拶してくれるのがうれしいですよね。こういったファンに対する気遣いができるのは2007シーズンのチームミヤタに所属した選手に共通するのですが、彼らの姿を見るにつけいつも感動をもらいます。

 今回は和歌山県白浜町を会場にしたレースでした。なかなか西日本で行われるレースは多くありません。そのため、選手の活躍を応援したくても応援できない人も多いのです。自らER選手でもあるチームまんまのManmaさんは辻善光選手の応援団のひとりです。出身地が一緒だということもあり応援にも熱が入っています。

写真右側がチームまんまのManmaさん

今回もTRレース終了直後に辻善光選手を囲んでチームまんまの関係者が展開を聞いたり、ねぎらいの言葉をかけていました。このパワーはブリッツェン関係者も入れなくらいパワーがありましたよ。というか、実際チームまんまの人たちと辻選手が一緒にいるところを見るのが初めてだったので、そのつながりの深さを改めて感じました。こういう熱い声援は選手に力を与えてくれるのは間違いありませんよね。

・賞金にまつわるエトセトラ
 今回のレースでは男子の入賞者には賞金が出るのですが、選手によってその捉え方は違うようです。アルバイトをしながらレーサーをしている選手は、もっと上位に入れればあと1,000円もらえたのでそれが移動のガソリン代になったのでとっても悔しいです!と現実的なコメントがありました。
 一方で仕事はきちんと持っていて(会社経営)ホビーレーサーとしてレースに出場している選手はゼロの単位が違うよね。これじゃなくてもいいよ、とばっさり。同じレースに出場していてもその選手のバックボーンの違いでここまでも出てくるコメントが違うものなんですね。たぶんこの2人は両極端な意見でたまたまそれを同じ会場で聞いてしまっただけなんです。

・空港での待ち時間はみんな一緒
 今回の会場は南紀白浜空港の旧滑走路を使用したコースでした。ということは、最寄の公共交通機関が空港で、南紀白浜空港からは東京へ行くJALが1日3便しかありません。ということで、レース後空港まで送っていただいたものの飛行機の出発時間までは余裕があり、待ち時間はレースに出場した選手、チーム関係者、観戦に行っただけの人に平等にあるのです。ということで、某チームの監督さんご夫妻とお話しをさせていただきました。今のチームの現状やJBCFレースの問題点などお昼ごはんを食べながらいろいろお話しをさせていただきました。というか、みんな昼ごはんを食べずに夕方4時過ぎまでレースに集中しているのかとそういう意味でも面白みがありました。

・選手は着眼点が違う!
 TRレースに出場している選手に関してBR−1の選手からこんな質問を受けました。「MチームでGIOSのフレームの子がいるんだけどあの子何者??」ゼッケンからするとW選手なのですが、彼はヨーロッパ遠征中で白浜エアポートクリテの日に日本に帰国することになっているとチームのマネージャーさんから聞いていたので、W選手ではないと。というか彼なら見てわかるし、その選手とは容姿が明らかに違いました。リザルトを確認したら別の選手に登録が変更させていました。N選手はチームの練習生で、今年初めてTRを走る選手でした。
 でも、BR−1の選手はなぜ彼に注目したのでしょうか。というのはMチームはマシンがコラッテクのはずなのに彼がGIOSのアルミフレームだったからだとか。言われてみればそうですね。。。まだまだ勉強不足です。ちなみに今回の白浜エアポートクリテに出場した選手で激安フレームに乗っていたのがNチームのW選手だったようなのですが、その選手なみにあのフレームは安いぞ!といっていたBR−1選手のコメントが印象的でした。

・とっさの判断ができないと選手じゃない?!
 TRの予選1組を観戦中のできごと。湘南ベルマーレの山川選手が360度ターンのポイントでコーンにぶつかり落車し、マシントラブルを負ってしまいました。クリテリウムレースなのでニュートラルを取ってホイール交換などができればレースに復帰することができます。その状況を見ていてとっさに反応したのがチームメイトの武田耕大選手。今回は選手4人だけで来ていたためサポートは選手同士でしなければなりませんでした。ニュートラルポイントにホイールを持っていってすっ飛んでいった武田選手。この機転が利いた行動で山川選手はレースに復帰、決勝へコマを進めることができました。やりじゃん、こうだいくん!!
 その光景を私と一緒に観戦していたなるしまフレンドの加地選手がぽそっとひとこと「TRのレースに出ていないのは(BR−1登録の)俺だけだから、選手にトラブルがあったら俺が行かないといけないのか?だったらとりあえず自転車だけでも持ってこないと!」と駐車場に置いていた自分の自転車を取りに行っていました。やっぱりレーサーの気持ちがわかるのはレーサーだからなのでしょうか。武田選手の反応の良さにはびっくりしましたが、加地選手の反応の速さにもびっくりでした。そして「俺以外は(なるしまフレンドの)店員だから、もし俺がレースでホイールを交換したら、そこで料金取られるのかな(笑)」と一緒に観戦していた他の人を巻き込んで笑わせてくれました。でも、ちょっと加地選手のつぶやきに納得している自分がいました。

 ここには載せていない話題がもっとあるのですが、それだけ見所が満載でしたし、いろいろ教えられることも多い1日になりました。前週の群馬CSCで風邪をひいてしまいいろいろな面で無理を通して行った南紀白浜でしたが収穫の多い1日でもありました。